NEDの現場から
考えるノート
掲載日: 2026年2月26日
著者:時田 隆佑(株式会社トキタ企画 代表取締役社長)
最近、パソコンの画面越しにAIと対話する時間が増えた。
調べ物や企画の骨組みを作る時、すぐに答えが返ってくるのは確かに便利だ。
コーヒーが冷める前に、いくつもの提案が画面に並ぶ。
しかし、その整った文章を眺めていると、どこか物足りなさを感じる。
これは私だけが抱く感想ではないはずだ。
AIはインターネット上の膨大なデータから、最も確率の高い答えを弾き出す。
言ってみれば、絶対に失敗しない無難な優等生だ。
一般的な指示を投げれば、綺麗で隙のない企画書が瞬時に出来上がる。
しかし、そのまま現場に持っていっても、不思議と誰の心も動かない。
ビジネスの現場で本当に人を動かすのは、もっと泥臭いものだ。
「この企画はなぜか跳ねる気がする」という担当者の熱量。
「このまま押し通すと危ない」という肌感覚。
現場の最前線に立つ人間だけが持つ「言葉にできない感覚」にこそ勝機がある。
AIの提案は、そのままでは血が通っていない。
長年の経験で培ったギリギリの判断基準を、言葉にしてAIに入力する。
そうすることで初めて、AIは自らの手足となって機能し始める。
自分の経験という熱源を注ぎ込むことで、凡庸な正解は独自の武器に変わる。
仕事は常に、予算の壁や人間関係の摩擦の中で進んでいく。
地域や組織が抱える特殊な事情を、AIは知らない。
AIが提示する「理屈としては正しい解決策」に、私たちは時折違和感を覚える。
「正しいけれど、このままでは誰も動かない」という現実があるからだ。
この違和感から逃げてはいけない。
なぜ違和感を覚えるのか。
誰のどんな感情がネックになっているのか。
その正体を因数分解し、自分の言葉でAIに伝える。
すると、AIの出す答えの解像度が劇的に上がる。
絵に描いた餅だった企画が、明日から実行できる生々しいアクションに変わる。
プロの抱く違和感こそが、AIに欠けている現場の文脈だ。
かつて、優秀な先輩や職人の直感は「背中を見て学べ」と言われるものだった。
その人の頭の中にしかないブラックボックスだ。
だが、AIという壁打ち相手を手に入れた今、状況は変わる。
「あの時、なぜあの判断をしたのか」
自分自身の行動を振り返り、AIとの対話を通して言語化していく。
言葉になった瞬間、個人のセンスはチーム全体の資産になる。
判断基準を共有すれば、誰もが同じ精度で仕事を進められるようになる。
感覚を言葉に変換する作業は、決して楽ではない。
だからこそ今回、自身の思考を整理し、言語化を促すための「プロの暗黙知言語化モード」を「NED×AI診断」に実装してみた。
自分の中にある漠然とした感覚を投げかけると、AI(NEDアシスタント)が問いを返し、輪郭をはっきりさせてくれる。

(この壁打ち専用AI使っても筋トレのような辛さはあるので、少しでも皆んなが使いやすいツールになるようにフィードバックをぜひ!)
「プロの暗黙知の言語化」は、AI時代において自らのアイデンティティを守り、圧倒的な価値を生み出し続けるための、最も重要な人間側の仕事と言える。
お試しあれ!
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